中国元についてのこと


日本の隣国である中国の経済成長が著しいことは、昨今の日本への旅行熱や買い物ツアーなどで知られているとおもいます。
中国の通貨は人民元となっていて、元と呼ばれたりしています。元と米ドルの為替レートは、2005年6月まで1ドル=約8.28元の固定相場制となっていました。これは主に中国政府による輸出産業の保護政策によるもののようで、長期にわたってこの固定相場制が維持されてきました。
現在では、固定相場制は解除され、1ドルはおおよそ2元あたりで動いているようで、当時と現在の経済成長の差はあるでしょうが、固定相場制前の元の力は約1/5ほどに過小評価をされていたようです。
元と円の交換レートは、固定相場制が敷かれていた当時は、円/ドルの為替相場の動向で決まっていました。これは、元と円との取り引きがドルを介して行なわれていた為で、ドル相場の動きに影響や、手数料の二重手間が、元と円との取り引きでの弊害となっていました。中国に対する貿易赤字が膨らんでいたアメリカ政府の圧力などにより、2005年6月に実質的に元との取引が行われるようになり、日本でも元を扱った金融商品を見かけるようになったのです。
過去に日本の財務大臣が東京と上海の外国為替市場で、元と円の直接取引を開始するという発表をし、中国の中央銀行である中国人民銀行も同等の発表を行い、それを受ける形で直接取引が行われるようになりました。
ご存じのとおり、隣国である中国と日本の関係性は強く、アメリカを抜いて最大の貿易相手国であることは間違いありません。そして、それは同時に中国にとっても、日本という存在は外貨導入のための最も重要な相手国の一つに位置付けられています。
先にも出ましたが、かつて元と円との取り引きは、米ドルを介して行われていました。当然、米ドル相場の動きに影響されますし、手続きやその手数料が二重にかかることなどが、元と円との取り引きを邪魔していました。
しかし、元と円とが直接に取り引きをされるようになって、貿易や投資の利便性と柔軟性が改善され、スピード感も格段に高まりました。
これらのメリットは、貿易などを行う商社はもちろん、近郷や証券会社などの投資の面でも、余計なコストや手間がかからず、日中それぞれの企業が、以前よりも参加しやすくなり、両国間の経済関係に光明をもたらしていきました。
また、この中国との直接取引の開始が、日本と中国の金融市場や財政市場にも効果を波及させていき、安定性と発展へとつながっていき、相乗して両国の通貨の影響力を高め行くことになるのです。
リーマンショックやサブプライムローン問題、またユーロ危機などにおいては、米ドルとユーロが売られ、基軸通貨とそれに準ずる通貨の不安定化が著しく、世界経済全体に懸念が走りました。
これらのことから、米ドルに左右されることのない元と円との直接取引は、それぞれの経済に対しても、世界の経済に対してもとても有意義であり、また、中国政府による外国為替市場への干渉があるために変動はわずかですが、世界中から元への期待が高まっており、また、中国政府もゆるやかに上昇させていきたいという意図があるため、今後も充分に注目するべき通貨と言えるでしょう。